聖書にはイゼベルの血縁の聖絶とは書いてないですが、これが単なる政治的粛清ではなく、神の裁きとしての断絶であることが明確だと思います。
イゼベルの血縁が北イスラエルだけでなく南ユダにまで及び、そしてその両方で根絶されたという聖書の記録を、まさに「聖絶」という言葉が的確に表現しています。
ヘブル語では「聖絶」は חֵרֶם(ヘーレム) ですが、この箇所では直接この語は使われていません。しかし、エフーの行動の徹底さ——アハブに属する者を「ひとりも生き残る者がないまでに」(第二列王記10:11)打ち殺した——は、まさにヘーレムの精神と同じでだと受け取られました。
※ここでいう「聖絶」は、ヨシュア記のヘーレム規定というより、
神の預言に基づく王朝断絶の裁きを指している。
⚔️ アハブ家への裁き
イゼベルの血縁と神の預言の成就 ― 第一列王記21章・第二列王記9-10章
フェニキア
第二列王9:1-6
ナボテの畑に投棄
第二列王9:24-26
犬に食われる
第二列王9:33-37
メギドで死亡
第二列王9:27-28
サマリアにて
第二列王10:6-7
ナボテの畑はイズレエルの王宮に隣接していた。アハブはこの畑を「野菜畑」にしようと欲した(第一列王記21:2)。
ナボテは「主が禁じておられます。先祖の嗣業を売ることはできません」と断り、イゼベルの策略で殺された。
| ナボテ殺害事件 | 第一列王記 21:1-16 |
| エリヤの裁きの預言 | 第一列王記 21:17-24 |
| アハブの悔い改めと猶予 | 第一列王記 21:27-29 |
| アハブの死(犬が血をなめる) | 第一列王記 22:29-38 |
| エフーへの油注ぎと使命 | 第二列王記 9:1-10 |
| ヨラム射殺・ナボテの畑に投棄 | 第二列王記 9:14-26 |
| アハズヤ(南ユダ王)殺害 | 第二列王記 9:27-29 |
| イゼベルの死(犬に食われる) | 第二列王記 9:30-37 |
| 70人の王子斬首 | 第二列王記 10:1-11 |
| アハズヤの親族42人殺害 | 第二列王記 10:12-14 |
| バアル礼拝者の粛清 | 第二列王記 10:18-28 |
| アタルヤの暴政(ダビデの子孫虐殺) | 第二列王記 11:1-3 / 第二歴代誌 22:10-12 |
| アタルヤの処刑・ヨアシュ即位 | 第二列王記 11:4-21 / 第二歴代誌 23:1-21 |
※ナボテ一人の血の罪が、アハブ家全体の滅亡、イゼベルの血縁の断絶、そしてバアル礼拝の根絶へとつながった。神は無実の者の血を忘れず、必ず報いられる。
主の預言者の虐殺
ナボテ殺害の首謀
ユダ王家にバアル礼拝導入
ダビデの血筋を絶やそうとする
「アハズヤの滅亡は神から出たこと」(第二歴代22:7)
→ ヨアシュのみが隠されて生き残り、ダビデの血筋が守られた
| 預言(第一列王記21章) | 対象者 | 成就(第二列王記9-10章) | 成就の詳細 |
|---|---|---|---|
| 「犬どもがナボテの血をなめたその場所で、犬どもがあなたの血をなめる」 21:19 | アハブ | 戦場で死亡、サマリアの池で血を洗い流す時に犬がなめた 第一列王22:38 | 約3年後に成就。アハブは悔い改めたため、彼の代ではなく子の代に災いが来ると一度は延期された(21:29) |
| 「犬がイズレエルの地所でイゼベルを食らう。だれも彼女を葬る者がいない」 21:23 | イゼベル | 窓から転落後、犬に食われて頭蓋骨・両足・両手首しか残らなかった 第二列王9:35-37 | 約14年後に成就。まさにイズレエルで、預言の通りに実現 |
| 「アハブに属する者でイスラエルに残っている者は、小わっぱから奴隷まで断ち滅ぼす」 21:21 | アハブの子孫 | サマリアの70人の子ら全員斬首、アハブの家に属する者すべて殺害 第二列王10:7,11 | エフーによる徹底的な粛清。血縁者・親しい者・祭司まで全滅 |
| 「アハブの家をヤロブアムの家、バシャの家のようにする」 21:22 | アハブ王朝 | アハブの王朝は完全に断絶。ヨラムで終焉 第二列王10:17 | ヤロブアム家もバシャ家も子孫を残さず断絶した(第一列王15:29、16:11-12)。同じ運命がアハブ家にも |
・ラモテ・ギルアデで油注がれる
・イズレエルへ進軍
・ヨラム(北)をナボテの畑で射殺
・アハズヤ(南)も殺害
・イゼベル転落死、犬に食われる
・サマリアで70人の王子を処刑
・バアル礼拝者を一掃
エリヤの預言から約14年後、場所も状況も細部まで預言通りに実現した。神は忘れておられない。
イゼベルの罪は北イスラエルだけでなく、娘アタルヤを通じて南ユダまで汚染した。悪い同盟は子孫に災いをもたらす。
アタルヤがダビデの血筋を断とうとしても、ヨアシュが守られた。メシアへの系図は絶えなかった。
(第二列王記 11:1-3 / 第二歴代誌 22:10-12)
エフーはバアルを滅ぼしたが、金の子牛はそのまま残した。神は心を尽くした従順を求めておられる。

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