なぜイスラエルのために祈るのか – 聖書的視点からの理解

イスラエルの為に祈りましょう。エルサレムの平和の為に祈りましょう memorandum(備忘録)
イスラエルの為に祈りましょう。エルサレムの平和の為に祈りましょう

はじめに

現代のニュースを見ていると、イスラエルについて様々な意見や批判を耳にします。「イスラエルは強い国なのに、なぜ祈る必要があるのか」「弱い者いじめをしているのではないか」といった声もあります。しかし、クリスチャンとしてイスラエルのために祈ることには、現代の政治情勢を超えた、深い聖書的な意味があります。

1. 神の選びの民としてのイスラエル

永遠の契約

神はアブラハムに対して無条件の契約を結ばれました(創世記12:1-3)。この契約は一方的な神の恵みによるもので、イスラエルの行いによって左右されるものではありません。

「わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」(創世記12:2-3)

パウロの教え

使徒パウロは明確に述べています:「神の賜物と召命とは変わることがありません」(ローマ11:29)。これは、神がイスラエルを選ばれた目的と約束は今も有効であることを意味します。

2. エルサレムの特別な位置

神が選ばれた都市

エルサレムは神ご自身が「わたしの名をそこに置く」と選ばれた都市です(申命記12:5、王上11:36)。これは人間の政治的判断ではなく、神の主権的な選択です。

詩篇122篇の命令

「エルサレムの平和のために祈れ。『おまえを愛する人々が栄えるように』」(詩篇122:6)

これは選択の余地のない命令形で書かれており、私たちクリスチャンにとって従うべき明確な指示です。

3. 歴史的背景の理解

2000年の離散と帰還

紀元70年のエルサレム神殿破壊以来、ユダヤ人は世界各地に散らされました。しかし、聖書は彼らの帰還を預言していました:

「主は、地の果てから、あなたをそこに散らしたすべての国々の民の中から、あなたを集める」(申命記30:4)

1948年のイスラエル建国は、この預言の成就と多くのクリスチャンは理解しています。

迫害の歴史

ユダヤ人は歴史を通じて、十字軍、ポグロム、ホロコーストなど、想像を絶する迫害を受けてきました。これらの苦難の多くは、残念ながらクリスチャンを名乗る人々によってもたらされました。

1948年の真実 – 「追い払った」というプロパガンダについて

よく「イスラエルがパレスチナ人を追い払った」という主張を耳にしますが、歴史的事実はより複雑です。

事実1:双方向の人口移動が起こった 1948年の戦争中、約70万人のパレスチナ・アラブ人が避難または移住した一方で、820,000人から856,000人のユダヤ人がエジプト、レバノン、シリア、イラク、イエメン、リビア、モロッコなどのアラブ諸国から追放または避難を余儀なくされました。

参考資料:

事実2:戦争の開始者 1948年5月14日のイスラエル独立宣言の翌日、エジプト、ヨルダン、シリア、レバノン、イラクの5つのアラブ諸国がイスラエルに宣戦布告しました。これは国連の分割決議を武力で覆そうとする試みでした。

事実3:避難の理由は複数 パレスチナ人の避難には複数の要因がありました:

  • アラブ軍の指導者による「一時的な避難」の呼びかけ
  • 戦闘による危険からの避難
  • 一部地域での強制移住
  • 恐怖と混乱による自発的な移住

事実4:アラブ諸国でのユダヤ人の扱い アラブ諸国に住んでいた約100万人のユダヤ人のうち、現在残っているのは数千人のみです。彼らの財産は没収され、多くが迫害を受けました。

事実5:土地購入の実態 19世紀後期のオスマン帝国時代から1948年まで、ユダヤ人開拓者たちは「沼地を含む大きな土地区画を購入し、反マラリア活動を行った」のです。これらの土地は主に人口密度の低い沿岸部や谷間で、マラリアの発生率が高い場所でした。

参考資料:

オスマン帝国時代には土地に税金が課せられており、イギリス統治下でも土地税は継続されました。アラブの地主の多くは、これらの生産性の低い土地にかかる税負担を避けるため、また統治者への不信から、土地を手放すことを選択したのです。「ユダヤ人たちが沼地を干拓し、マラリアを撲滅し、土地を灌漑した。その結果、両世界大戦間にアラブ人の移民が増加した」のです。

参考資料:

事実6:土地開発の成果 1937年の英国王立委員会は、ユダヤ人入植者は肥沃な土地の不公平な分け前を得たのではなく、「現在オレンジ畑となっている土地の多くは」元々は使用不可能な沼地だったと率直に観察しています。

事実7:難民問題の非対称性 イスラエルは82万人のユダヤ人難民のうち58万6千人を「イスラエル政府の大きな負担で、財産を没収したアラブ政府からの補償なしに」受け入れ、社会に統合しました。一方、多くのアラブ諸国はパレスチナ難民を何世代にもわたって難民キャンプに留め置きました。

参考資料:

この歴史を理解することで、「土地を奪った」「一方的な追放」という単純化された物語が、実際の複雑な歴史的現実を反映していないことが分かります。

4. 現代の複雑さを理解する

不法行為と正当な批判

西岸地区における一部の過激な入植者によるパレスチナ人への暴力や家屋への放火などの不法行為は実際に起こっており、これらは断じて容認できません。イスラエル政府自身もこれらの行為を違法として扱い、逮捕や処罰を行っています。

しかし、重要なのは以下の点です:

個人の行為と国家・民族全体を区別する

  • 一部の過激派の行為が、イスラエル全体や神の計画を否定する理由にはならない
  • アメリカにも日本にも犯罪者がいるが、それで国全体を否定しない
  • パレスチナ側にもテロリストがいるが、パレスチナ人全体を否定しない

聖書的な視点 イスラエルの民も完璧ではありません。旧約聖書は、イスラエルの罪と不従順を率直に記録しています。しかし神は:

  • 彼らの行いによらず、ご自身の約束に忠実であられる(ローマ11:29)
  • 罪を犯したイスラエルを懲らしめられるが、決して見捨てられない(エレミヤ31:35-37)
  • 最終的には彼らを悔い改めに導かれる(ゼカリヤ12:10)

私たちの祈りの焦点 このような現実があるからこそ、私たちは祈る必要があります:

  • イスラエルの指導者たちが正義と憐れみを行うように
  • 過激な行為が止まるように
  • 真の悔い改めと和解が起こるように
  • 神の心に適う国となるように

パレスチナ指導部の腐敗問題

国際支援の流用問題についても深刻な指摘があります:

支援金の流用

  • 欧州連合は、パレスチナ自治政府が腐敗と管理ミスにより約20億ユーロ(27億ドル)の欧州援助を浪費したと告発
  • 1997年のパレスチナ立法評議会の調査では、PAが3億2600万ドルを失ったことが判明したが、アラファトによって報告書は隠蔽された
  • 汚職対策責任者は7000万ドルを回収したが、これは3名の大臣を含む高官からの回収だった

指導者の個人資産: 複数の調査機関が以下を報告しています:

  • マフムード・アッバス議長の純資産は1億ドルとされている
  • ハマス指導者の個人資産は40億~50億ドルと推定され、その息子たちはガザでスポーツカーで移動し、一般のパレスチナ人には到底手の届かない高級不動産や事業を管理している
  • 元ハマス海外指導者ハーレド・マシャールの資産は25億ドルと推定されている

参考資料:

一般市民との格差: 22歳のパレスチナ人住民の証言によると、「アッバスの子どもたちは最高の学校に通っている」一方で、一般のパレスチナ人は困窮しているという現実があります。

この状況は、支援が本当に必要な人々に届いていないことを示しており、国際社会が支援方法の見直しを求めている理由でもあります。

UNRWAと教育の問題

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)についても深刻な問題が指摘されています:

教育材料の扇動内容: IMPACT-seの調査により、UNRWA関連の教育材料に以下のような内容が発見されました:

  • 「第一次インティファーダの殉教者を使った算数問題」の出題
  • 「血で祖国を守れ」という表現
  • イスラエルの存在を否定する内容

参考資料:

スタッフの関与疑惑: 2024年1月、イスラエルは12名のUNRWAスタッフが10月7日の攻撃に関与したと告発しました。UNRWAは直ちに10名を解雇し、調査を開始しましたが、独立調査では十分な証拠が提供されていないとの結論も出ています。

参考資料:

これらの問題は、パレスチナの子供たちが平和ではなく憎悪を学んでいる現実を示しており、真の平和実現のためには教育改革が不可欠であることを物語っています。

メディアリテラシーの重要性

2023年10月17日のアル・アハリ病院爆発事件は、情報戦の典型例でした。当初「イスラエルの空爆で471人死亡」と報道されましたが、後の調査で:

  • ヒューマン・ライツ・ウォッチは死傷者数を「裏付けることができず、他の推定値より著しく高く、損害に見合わない」と指摘
  • 衛星画像では「爆発で燃えた範囲は比較的小さく、病院構造物は大きな損傷を受けていない」ことが判明
  • CNN の法科学的分析では「ロケット弾が原因で、イスラエルの空爆ではない」と結論

参考資料:

このような事例は、一つの情報源だけでなく、複数の信頼できる機関による検証済み情報を参照することの重要性を示しています。

人道的な配慮

イスラエルのために祈ることは、パレスチナの人々の苦しみを無視することではありません。神はすべての人を愛されており、平和と正義を求められます。

軍事力と霊的な戦い

イスラエルが軍事的に強いからといって、霊的な戦いが終わったわけではありません。サタンは神の計画を阻止しようと今も働いています(エペソ6:12)。

5. 私たちが祈るべき理由

神への従順

まず第一に、私たちが祈るのは聖書の命令に従うためです。これは感情や政治的立場を超えた、信仰の問題です。

神の計画の成就

イスラエルの回復は、キリストの再臨と深く関連しています(ローマ11:25-26)。イスラエルのために祈ることは、神の救いの計画全体のために祈ることです。

祝福の約束

アブラハム契約には「あなたを祝福する者をわたしは祝福し」という約束があります。この約束は今も有効です。

平和への願い

真の平和は、政治的解決だけでは実現しません。それは神の介入によってのみ可能です。

6. どのように祈るべきか

具体的な祈りの項目

イスラエルの霊的覚醒のために

  • ユダヤ人がメシアであるイエスを受け入れるように
  • 神の民として召された使命を果たせるように
  • 正義と憐れみを行う指導者が立てられるように
  • 過激な行為や不法行為が止まるように

エルサレムの平和のために

  • 政治的対立の解決
  • テロリズムの終息
  • 宗教的自由の保護
  • 真の悔い改めと和解

パレスチナの人々のために

  • 苦しみの中にある人々の慰め
  • 平和な解決への道筋
  • 経済的安定と発展
  • 暴力の犠牲者のための癒し

地域全体のために

  • 中東全体の安定
  • 宗教的寛容の促進
  • 次世代の平和な未来

7. バランスの取れた視点

批判的思考の重要性

メディアの情報を鵜呑みにせず、聖書的な価値観に基づいて判断することが大切です。

愛による行動

祈りだけでなく、平和と和解のための具体的な行動も求められています。

謙遜な姿勢

私たちは完全に理解できない複雑な状況について、謙遜に学び続ける姿勢が必要です。

まとめ

イスラエルのために祈ることは、現代の政治情勢への単純な支持表明ではありません。それは:

  • 神の主権と約束への信頼
  • 聖書の預言の成就への期待
  • 真の平和への願い
  • キリストの再臨への備え

を表すものです。

私たちは地上の複雑な現実を理解しつつも、天の父の視点から物事を見る目を求めましょう。そして、エルサレムの平和のために、イスラエルの民のために、そしてこの地域に住むすべての人々のために、継続して祈り続けましょう。

現代は多様性が尊重される時代です。しかし、真理を伝えることには、ときに排他的だと見なされるリスクに対する勇気が必要となります。私がこのブログを書いたのは、単に歴史や政治を解説するためだけではありません。アブラハム契約に示された神の真理を信じ、イエスこそがユダヤ人とすべての人々のメシアであるという福音を、愛する日本の同胞とユダヤの人々にも知ってほしいという情熱からです。生粋のユダヤ人であり、福音のためにすべてを捧げた使徒パウロの情熱にあやかり、この思いを書き記しました。エルサレムの平和のために、そして神の救いの計画全体が成就するために、ともに祈り続けましょう。

「エルサレムの平和のために祈れ。『おまえを愛する人々が栄えるように』」(詩篇122:6)


このブログが、私たち一人ひとりがより深い理解をもって、愛をもって祈ることの助けとなることを願います。

高原剛一郎先生の書かれた世界は聖書で出来ている、とても面白く学べます。聖書の中で預言されていたことが成就していることがよくわかります。神様は実に真実な方だと実感します。手に取って読まれるとワクワクすること間違いないと思いますのでご紹介します。…ですが、現在在庫がないそうです。9月の中旬あたりから出るので、現在6000円位になっているのは買わないで、それまでお待ちください。とYotubeでおっしゃっていました。



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