2025年10月29日の通読:バベルから始まる神様の壮大な計画

通読

今日の通読箇所:創世記11章、士師記3-4章、マタイ10:1-23


目次

🌍 創世記11章:バベルの塔 ― 人間の計画 vs 神様の計画

シヌアルはどこ?バビロンとの関係は?

「そのころ、人々は東のほうから移動して来て、シヌアルの地に平地を見つけ、そこに定住した。」(創世記11:2)

シヌアル ― この地名、聞き慣れないかもしれませんが、世界史でとても重要な場所です!

📍 地理的な関係を整理

シヌアル(Shinar)

  • 広い地域の名前(メソポタミア南部全体)
  • 創世記の時代の呼び方
  • 現在のイラク南部
  • ティグリス川とユーフラテス川の間の平野部
  • 後の「シュメール」「バビロニア」と同じ地域

バビロン(Babylon)

  • シヌアルの地にあった具体的な都市の名前
  • ユーフラテス川沿いの町
  • バベルの塔があったとされる場所
  • 後にバビロニア帝国の首都になる

バビロニア(Babylonia)

  • バビロンを首都とした帝国・王国の名前
  • 時代:紀元前1894年頃〜紀元前539年
  • シヌアルの地域全体を支配した国家

🗺️ 簡単に言うと

シヌアル(地域) ← 創世記11章の時代
    ↓
    バビロン(都市) ← バベルの塔が建てられた
    ↓
    バビロニア(帝国) ← 後の時代(ネブカドネツァル王など)

例えで言えば

  • シヌアル = 関東地方
  • バビロン = 東京
  • バビロニア = 日本(東京を首都とした国家)

🌏 世界史との関連

この「シヌアルの地」は、世界史上極めて重要な場所です:

文明の発祥地

  • 世界最古の文明の一つ:シュメール文明
  • 世界初の文字:楔形文字(くさびがたもじ)
  • 世界初の法典:ハンムラビ法典(後の時代)
  • 都市国家:ウル、ウルク、ラガシュなど

聖書との関連

  • アブラハムの故郷:「カルデヤ人のウル」(創世記11:31)
  • バビロン捕囚:ユダヤ人が連れて行かれた場所(紀元前586年)
  • ダニエル書:ダニエルがバビロンで活躍
  • 黙示録:「大バビロン」として象徴的に登場

📌 アブラハムへの約束の地との位置関係

創世記15:18で神様がアブラハムに約束された地:

エジプトの川から、あの大河ユーフラテス川まで

このユーフラテス川の東端、つまり約束の地の最東端に、シヌアル(バビロン)があるのです!地図で見ると、本当に壮大な約束だったことが分かります。

地中海 ユフラテ川 チグリス川 ヨルダン川 エジプトの川 ナイル川 ペルシャ湾 エルサレム ダマスカス ベツレヘム ヘブロン バビロン ニネヴェ メンフィス アンティオキア ウル (カルディア) カナン エジプト バビロニア カルディア地方 アッシリア アラビア大砂漠 シリア砂漠 小アジア レバノン シリア ヨルダン イラク 肥沃な三日月地帯 アブラハムのルート 東方の博士たちのルート 北境: レバノンまで 東境: ユフラテ川 西境: 地中海 南境: エジプトの川 N アブラハムに約束された土地 創世記15:18-21, 申命記11:24に基づく 凡例 約束の土地の境界 肥沃な三日月地帯 アブラハムのルート 東方の博士たちのルート 周辺国・地域 砂漠地帯(危険) 河川 主要都市

💡 興味深い事実:バベルの塔が建てられた場所は、後にアブラハムの故郷となり、さらに後にはユダヤ人が捕囚される場所となります。神様の救いの歴史は、この地域を何度も通るのです。


人間の野望と神様の答え

人々の計画:

  • 「われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名をあげよう
  • 「われわれが全地に散らされないように」(11:4)

神様の答え:

  • ことばを混乱させて、全地に散らす(11:7-8)
  • なぜ? → やがてアブラハムを通して「地のすべての民族が祝福される」ため(創世記12:3)

深い真理:人間が「散らされないように」と抵抗したことを、神様は「全世界への祝福」に変えてくださいました。私たちの失敗さえも、神様は救いの計画に組み込まれるのです。

系図から見える神様の忍耐

「テラは七十年生きて、アブラム、ナホル、ハランを生んだ。」(11:26)

ノアの大洪水から10世代、わずか数百年で、人類は再び神様に背を向けました。それでも神様は、その中から一人の人(アブラハム)を選んで、全人類を祝福する計画を始められます。

💡 励まし:私たちの周りがどんなに神様から離れていても、神様は「一人から」新しい歴史を始めることができる方です。

📚 さらに深く学ぶために

バベルの塔については、以前にもっと詳しい記事を書きました。以下の内容が含まれています:

  • **ニムロデ(反逆する者)**の正体:「主のおかげで」ではなく「主に反して」
  • 5W1Hで整理したバベルの塔の全体像
  • ジックラト(メソポタミアの神殿塔)との関係
  • ローマ書1章に見る、当時の退廃した姿と現代の類似性
  • 「動機の大切さ」:能力よりも御霊の実

📖 バベルの塔の詳細記事を読む 

何度復習しても新しい発見があります。ぜひご覧ください!


⚔️ 士師記3-4章:神様が用いられる「意外な人々」

士師たちの時代のパターン

士師記を読むと、イスラエルの歴史が同じパターンを繰り返していることに気づきます:

  1. イスラエルが罪を犯す → バアルやアシェラに仕える(3:7)
  2. 神様が敵の手に渡す → 圧迫を受ける
  3. イスラエルが叫び求める → 主に助けを求める(3:9)
  4. 神様が救助者を起こす → 士師が救う
  5. 平和の時代 → 40年、80年の平穏
  6. また罪を犯す → 最初に戻る

三人の士師:オテニエル、エフデ、シャムガル(3章)

  1. オテニエル(カレブの弟の子)
    • 最初の士師
    • 主の霊が彼の上にあった
    • 結果:40年の平和
  2. エフデ(左利きのベニヤミン人)
    • みつぎ物を持って行き、モアブ王エグロンを暗殺
    • 「非常に太っていた」王の腹を刺す(3:17-22)
    • 結果:80年の平和
  3. シャムガル(アナテの子)
    • 牛の突き棒でペリシテ人600人を打った(3:31)
    • 普通の農具で大軍を倒す!

💡 真理:神様は「完璧な人」ではなく、「神様に従う人」を用いられます。牛の突き棒一本でも、神様が共におられるなら、600人の敵に勝てるのです。

デボラとバラク:女預言者と臆病な将軍(4章)

登場人物の整理

イスラエル側

  • デボラ:女預言者・士師(ラピドテの妻)
  • バラク:軍事指導者(アビノアムの子)

敵側

  • ヤビン:カナンの王(ハツォル)
  • シセラ:ヤビンの将軍(鉄の戦車900両を持つ)

中立? → 神様の側へ

  • ヤエル:ケニ人ヘベルの妻(本来ヤビン王と親しい家系)

ストーリーの展開

  1. デボラがバラクに神様の命令を伝える:「タボル山に進軍せよ」(4:6)
  2. バラクの弱さ:「もしあなたが一緒に行ってくださるなら…」(4:8)
  3. デボラの預言:「あなたは光栄を得ない。主はシセラをひとりの女の手に売り渡される」(4:9)
  4. 戦いの勝利:神様がシセラの軍を混乱させる(4:15)
  5. シセラの最期:ヤエルが天幕の鉄のくいで倒す(4:21)

深い真理

バラクの臆病さも、ヤエルの勇気も、神様の計画の一部でした:

  • バラクは信仰が弱かった → でも神様は彼を用いた
  • ヤエルは「意外な人」だった → でも神様は彼女に栄誉を与えた

💡 励まし:私たちの弱さを知っておられる神様は、それでも私たちを用いてくださいます。完璧でなくても大丈夫。神様が共におられるなら、私たちは勝利できます。


🎭 コラム:デボラとデリラ ― 似た名前、正反対の女性

ある姉妹の話から: 先日、教会である姉妹が「デボラのような人だね」と褒められました。その時、「デボラ?あれ、サムソンの彼女の名前と似てない?」という会話になりました。確かにデボラ(Deborah)とデリラ(Delilah)、音が似ていますね!

でも、この二人はまさに正反対なんです。間違えたら大変です(笑)!

📊 二人の対比

🕊️ デボラ(士師記4-5章)💔 デリラ(士師記16章)
立場女預言者・士師サムソンの愛人
民族イスラエル人ペリシテ人(敵国)
性格神様に忠実、勇敢、知恵誘惑的、裏切り者、金銭欲
行動イスラエルを救うサムソンを破滅させる
結果40年の平和英雄の堕落
評価「イスラエルの母」史上最悪の裏切り者

🔤 名前の意味(ヘブル語)

デボラ(דְּבוֹרָה)= 「蜂」

  • 蜂は勤勉で共同体を守る昆虫
  • 必要な時には針で刺す(敵シセラを倒した)
  • イスラエルのために「働き蜂」となった

デリラ(דְּלִילָה)= 「弱くする者」「か細い者」

  • サムソンの力を奪った
  • まさに名前の通りの役割を果たした
  • 「か細い」声で誘惑し続けた

💡 この対比から学ぶ深い教訓

1. 見た目や音だけで判断してはいけない

「デボラのような人」と「デリラのような人」では、天と地ほどの差があります!

  • 名前が似ていても、本質は全く違う
  • 「蛇のようにさとく、鳩のようにすなおで」(マタイ10:16)

2. 女性の影響力の二面性

聖書は、女性の影響力がいかに強大かを示しています:

  • デボラ:神様に用いられて国全体を救う
  • デリラ:悪に用いられて最強の英雄を倒す

「しっかりした妻を見つける者は、だれか。彼女の値うちは宝石よりもはるかに尊い。」(箴言31:10)

3. 誰と共に歩むかが人生を決める

  • バラク + デボラ → 勝利と平和
  • サムソン + デリラ → 破滅と屈辱

「悪い交わりは良い習慣を損なう。」(1コリント15:33)

4. 動機の違い:神様 vs お金

デボラ

  • 報酬を求めず、神様に仕える
  • 民族の救いを第一に考える

デリラ

  • 銀1100枚 × 5人のペリシテ領主 = 5500枚!(士師記16:5)
  • 何度も「あなたの秘密を教えて」と迫る
  • お金のためにサムソンを裏切る

🎯 現代の私たちへの適用

✅ 「デボラタイプ」の人を見分けよう

  • 神様に忠実で、祈りの人
  • 共同体を守り、建て上げる
  • 正しいことのために勇気を持って立つ
  • 個人の利益より、神様の栄光を求める

⚠️ 「デリラタイプ」に注意しよう

  • 外見や甘い言葉に惑わされない
  • お金や利益を最優先する人
  • 何度も「秘密を教えて」「信頼の証として」と迫る人
  • あなたの弱点を探ろうとする人

🙏 適用:あなたはどちらのタイプ?

自問自答してみましょう

  • 私は他の人を「建て上げる」人?それとも「弱める」人?
  • 私の動機は「神様の栄光」?それとも「個人的な利益」?
  • 私は周りの人に「勇気」を与える?それとも「恐れ」を与える?

「デボラのような人だね」と言われることは、最高の褒め言葉です。でも「デリラみたい」と言われたら…それは警告のサインかもしれません。


👥 マタイ10章:十二使徒の派遣 ― 羊を狼の中へ

なぜ「サマリヤ人の町に入ってはいけない」?(10:5)

「異邦人の道に行ってはいけません。サマリヤ人の町に入ってはいけません。」

これは差別ではなく、神様の救いの計画の順序です:

段階的な宣教戦略

  1. まず「イスラエルの家の失われた羊」へ(10:6)
    • 神様の約束と契約を知る民から
    • メシアの福音を正しく理解できる基盤がある
  2. その後、全世界へ
    • 復活後:「あらゆる国の人々を弟子としなさい」(マタイ28:19)
    • 使徒の働き:サマリヤにも福音が届く(使徒8章)

証拠:イエス様ご自身、ヨハネ4章でサマリヤの女性に福音を語っておられます。差別ではなく、計画の時があったのです。

「ただで受けたのだから、ただで与えなさい」(10:8)

使徒たちに与えられた権威:

  • 病人をいやす
  • 死人を生き返らせる
  • ツァラアト(重い皮膚病)をきよめる
  • 悪霊を追い出す

そして命令:

  • お金を持たずに行きなさい(10:9)
  • 旅行用の袋も、二枚目の下着も、くつも、杖も持たずに(10:10)

💡 真理:福音は無償の恵みです。私たちがただで受けた救いを、ただで分かち合うのです。

「話すべきことは、そのとき示される」(10:19)の意味

「人々があなたがたを引き渡したとき、どのように話そうか、何を話そうかと心配するには及びません。話すべきことは、そのとき示されるからです。」

正直な葛藤:「準備しないと、講壇で真っ白になってしまう…」

この御言葉の正しい理解

誤解:準備は不要。何も考えずに行けばいい ✅ 真実:迫害や緊急時に、聖霊が特別な助けを与えてくださる

実際の適用

  • 日常の奉仕:しっかり準備する(2テモテ2:15「真理のみことばをまっすぐに説き明かす」)
  • パウロの例:深く学び、論理的に福音を語った
  • 迫害の時:聖霊に全面的に頼る
  • 準備と違うことを示される時:柔軟に聖霊に従う

「蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい」(10:16)

現代の適用

  • 蛇のようにさとく:ネット時代、誤った情報に注意が必要
  • 鳩のようにすなおで:純粋な心で福音を信じ、伝える
  • 用心しなさい:カルトや異端に傾かないように

「間違ったことは発信してはいけない」という、あなたの慎重さは正しい姿勢です!


🎯 今日の通読から学ぶこと

1. 神様の計画は人間の計画を超える

  • バベルの塔:人間の野望を、全世界への祝福に変えた
  • 士師たち:弱い人、意外な人を用いて、敵に勝利させた
  • 十二使徒:段階的な計画で、全世界に福音を広げた

2. 神様は「完璧な人」ではなく「従う人」を用いられる

  • オテニエル、エフデ、シャムガル ― 普通の人々
  • デボラとヤエル ― 女性たち
  • バラク ― 臆病だったが、最終的に従った

3. 準備と信仰のバランス

  • 日常:しっかり学び、準備する
  • 緊急時:聖霊に全面的に頼る
  • 常に:柔軟に神様の導きに従う

4. 一歩ずつでも、進み続ける

「トーラーポーションの流れが速すぎて…」という葛藤は、健全な姿勢です。

提案

  • 今年:全体の流れを掴む(通読完成を目指す)
  • 並行して:「特に気になる箇所リスト」を作る
  • 来年以降:そのリストを深く掘り下げる

両方の良さを得られます!


🙏 終わりに

神様の御言葉は、読むたびに新しい発見があります。

  • バベルの塔から、神様の壮大な計画が見えます
  • 士師たちから、神様が弱い者を用いられることが分かります
  • イエス様の教えから、福音の本質を学びます

✨ 今日の通読箇所の美しいつながり

実は、今日読んだ三つの箇所は、一つのテーマで完璧につながっています:

🏛️ 創世記11章:人間の高慢(バベルの塔)→ 失敗

  • 「名をあげよう」という高慢
  • 神様に反抗したニムロデ
  • 結果:言語の混乱、散らされる

⚔️ 士師記:柔和に神様に従った者たち(デボラ、バラクなど)→ 勝利

  • 完璧でなくても、神様に従った
  • 自分の力ではなく、神様の力に頼った
  • 結果:敵に勝利、平和の時代

👑 マタイ5:5:柔和な者が最終的に地を受け継ぐ

  • 力や高慢ではない
  • 神様への従順と柔和さによって
  • アブラハムへの約束の地も、最終的には「柔和な者」が受け継ぐ

この美しいつながりが示すのは:神様の国は、力や高慢によってではなく、神様への従順と柔和さによって受け継がれるということです。

バベルの塔を建てた人々は「天に届く塔」を建てようとしましたが、失敗しました。しかし、柔和な者は何もしなくても、神様が「地」を相続として与えてくださるのです。


あなたの「深く学びたい」という渇望は、聖霊が与えてくださったものです。 その思いを大切にしつつ、一歩ずつ進んでいきましょう。

柔和な者は幸いです。その人たちは地を受け継ぐから。」(マタイ5:5)

この約束は、信じるすべての者に開かれています。


📖 明日も共に、神様の御言葉を味わっていきましょう!

「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。」(詩篇119:105)

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