ヤコブの旅路とマハナイム

通読用参考図解

「火を呼びくだし、雨を降らしし エリヤも我と同じ人なり」

この聖歌が歌うように、聖書に登場する人物たちは、遠い神話の住人ではありません。私たちと同じ人間が、同じ地球上で、神様と共に歩んだ歴史的事実が聖書には記されています。

聖書に出てくるシオンの丘、モリヤの山、ギホンの泉 ― これらは今もイスラエルに存在する実在の場所です。今日の聖書通読箇所に登場する場面もです。

この図解を通して、聖書の舞台を少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。知らなかったことを知り、分からなかったことが分かり、疑問が解決する ― そんな小さな発見が、聖書を開く楽しみにつながりますように。

ヤコブの旅路とマハナイム
地中海 ヨルダン川 死海 ガリラヤ湖 ユーフラテス川方面 ギルアデ山地 カナン パダン・アラム セイルの地(エドム) 1 ハラン חָרָן 2 ギルアデ ガルエデ・ミツパ 3 マハナイム מַחֲנָיִם 「二つの陣営」 エサウのいる セイルへ使者を送る ベエル・シェバ (イサクの居場所) ラバンの追跡 7日間の旅 (創世記31:23)

📍 凡例

出発地(ハラン)
契約の地(ギルアデ)
神の陣営(マハナイム)
目的地方面

📖 各地点の詳細

❶ ハラン חָרָן

ヤコブが20年間過ごした場所。ラバンのもとで妻レアとラケル、子どもたちを得た。

現在のトルコ南東部に位置。メソポタミア文明圏でアラム語が話されていた。

「私はこの二十年間、あなたの家で過ごしました」(31:41)

❷ ギルアデ山地 ― ガルエデ・ミツパ

ガルエデ(גַּלְעֵד) =「証拠の石塚」(ヘブライ語)

エガル・サハドタ = 同じ意味(アラム語)

ミツパ(מִצְפָּה) =「見張りの場所」

「主が私とあなたとの間の見張りをされるように」(31:49)

❸ マハナイム מַחֲנָיִם

意味:「二つの陣営」(מַחֲנֶה の双数形)

神の使いたちがヤコブに現れた場所。自分の陣営と神の陣営が共にあることを悟った。

後にダビデがアブシャロムの反乱から逃れた場所でもある(Ⅱサムエル17:24)。

「ここは神の陣営だ」(32:2)

⏱️ 出来事の流れ

1

ヤコブ、密かにハランを去る

ラバンが羊の毛を刈りに行っている間に出発(31:19-21)

2

ラバン、3日後に知らされる

一族を連れて7日間追跡(31:22-23)

3

神がラバンに夢で警告

「ヤコブと善悪を論じないように」(31:24,29)

4

ギルアデで対峙と和解

石塚を立て、契約を結ぶ(31:44-54)

5

ラバンとの別れ

口づけと祝福をして去る(31:55)

6

マハナイムで神の使いに会う

「ここは神の陣営だ」(32:1-2)

7

エサウへ使者を送る

セイルの地にいる兄に和解を求める(32:3)

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