「火を呼びくだし、雨を降らしし エリヤも我と同じ人なり」
この聖歌が歌うように、聖書に登場する人物たちは、遠い神話の住人ではありません。私たちと同じ人間が、同じ地球上で、神様と共に歩んだ歴史的事実が聖書には記されています。
聖書に出てくるシオンの丘、モリヤの山、ギホンの泉 ― これらは今もイスラエルに存在する実在の場所です。今日の聖書通読箇所に登場する場面もです。
この図解を通して、聖書の舞台を少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。知らなかったことを知り、分からなかったことが分かり、疑問が解決する ― そんな小さな発見が、聖書を開く楽しみにつながりますように。
目次
🗺️ ヤコブの旅路とマハナイム
創世記31-32章 ― ハランからカナンへの帰還
📍 凡例
📖 各地点の詳細
❶ ハラン חָרָן
ヤコブが20年間過ごした場所。ラバンのもとで妻レアとラケル、子どもたちを得た。
現在のトルコ南東部に位置。メソポタミア文明圏でアラム語が話されていた。
「私はこの二十年間、あなたの家で過ごしました」(31:41)
❷ ギルアデ山地 ― ガルエデ・ミツパ
ガルエデ(גַּלְעֵד) =「証拠の石塚」(ヘブライ語)
エガル・サハドタ = 同じ意味(アラム語)
ミツパ(מִצְפָּה) =「見張りの場所」
「主が私とあなたとの間の見張りをされるように」(31:49)
❸ マハナイム מַחֲנָיִם
意味:「二つの陣営」(מַחֲנֶה の双数形)
神の使いたちがヤコブに現れた場所。自分の陣営と神の陣営が共にあることを悟った。
後にダビデがアブシャロムの反乱から逃れた場所でもある(Ⅱサムエル17:24)。
「ここは神の陣営だ」(32:2)
⏱️ 出来事の流れ
ヤコブ、密かにハランを去る
ラバンが羊の毛を刈りに行っている間に出発(31:19-21)
ラバン、3日後に知らされる
一族を連れて7日間追跡(31:22-23)
神がラバンに夢で警告
「ヤコブと善悪を論じないように」(31:24,29)
ギルアデで対峙と和解
石塚を立て、契約を結ぶ(31:44-54)
ラバンとの別れ
口づけと祝福をして去る(31:55)
マハナイムで神の使いに会う
「ここは神の陣営だ」(32:1-2)
エサウへ使者を送る
セイルの地にいる兄に和解を求める(32:3)


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